集団偏向という恐さ

北朝鮮が核実験を発表してから2日。
情勢は,かなり緊迫したものとなっている。


「集団偏向」。北朝鮮内部では以前からその状態にあったといえると思うが,ことここに至っては,現実的な利害計算も働かなくなっているのだろう。
過激な主張をすればするほど,その者の地位を強固にし,それがさらに過激な主張を増幅するというこの悪循環は,急速にそのスピードを速めているようだ。そして,それは,客観的な情勢分析や現実的な利害計算を排除・弾圧し,先軍思想のような精神論が絶対化されていく。


国連安保理では,経済制裁へ向けた手続が着々と進められているようだ。
この対応は致し方ないにしても,米国や日本の安倍政権が今後どのようなシナリオを描いているのか,その危険性はかなり深刻なものだろう。


最悪のタイミングで行った今回の核実験は,しかし,絶対に最悪な結末を招いてはならない。
それは,イラクの再現どころか,より悲惨な惨状を呈することになる。
絶対に戦争という選択肢を想定しないこと。
6カ国協議の当事国首脳が北朝鮮に乗り込んでいくぐらいのことをしてでも,絶対に外交的解決をしなければならない。