言ってはいけない言葉

今日,家に不在で受け取れなかった郵便物を取りに近所の郵便局に行った時のこと。
おそらく70ないしは80歳くらいの男性が,窓口の女性の人に何やら怒ってました。
滑舌が悪いせいか,男性の言っていることを聞き取るのが難しかったけど,どうも,家族の郵便物をその男性が取りにきたらしいのだけど,その手続でもめているみたいだった。


窓口とか飲食店なんかでたまに見るけど,不合理なことや理不尽なことを言って店員さんとかに文句を言っている人いますよね。
もちろん,店員や窓口の人の対応がひどかったり,機械的な対応に終始してたりして,怒りたくなる時もあるでしょう。
その気持はわかるし,オイラだってそういう経験は多いです。
だけど,怒るにしても,そこでもやはり言っていいことと悪いことってあると思うんですよね。


オイラが今日,そこで聞いた言葉は,心が痛くなる,とても許されない言葉のように思いました。
窓口の人が,その男性に丁寧に説明していたときのこと(本当に冷静かつ親切に対応しているように見えました),その男性がその女性に「そんなことは分ってるってさっきから言っとるやろが。ホンマ自分,どん(純)やな(おそらく関西弁で鈍いという意味だと思う)」と言ったのです。
文字にしてしまうと,その時の雰囲気があまり伝わらないかもしれないけど,この言葉は,傍らで聞いているオイラにさえ,胸に突き刺さるものがありました。


もしかしたら,窓口の人はそういうことは言われ慣れているのかもしれないし,その男性だって相当頭にきていたのでしょう(それから,その男性は家で介護をしているらしく相当疲れてもいるようだった。)。


しかし,そういう色々の背景事情を加味しても,やはり人間として言っていいことと悪いことはあると思います。
人の尊厳と人格を否定するような言葉は,どんな状況,背景事情があったとしても,やはり言ってはいけないのではないでしょうか。
なぜなら,それは人の存在意義を否定するような響きを持つからです。


言葉は,人間が手に入れた,おそらくは最高の手段であり,能力だと思います。
それは,人間を幸せにし,文化・社会を豊かなものにします。
しかし,使い方を間違えば,それは,どんな凶器よりも危険なものになるのです。
言葉のそういう性格を,やはり意識しておかないといけないと思います。