沈まぬ太陽

映画『沈まぬ太陽』を観た。


冒頭,御巣鷹山事故のシーンから始まるのだが,かなりしんどい映画だった。
とにかく,観てるのがつらくなる。
でも,非常に良い映画だと思いました。
色々,考えさせられるところがありました。


正直,山崎豊子の小説は,オイラの中で少し魅力が減退していたところがあるのだけれど,映像化されると胸にくるものがある。山崎豊子作品は,映像化した方が面白いと思いますね。
白い巨塔』,『不毛地帯』なども面白かったし。


沈まぬ太陽』は,戦後の国営企業のことや,労働運動,働くこと,人の人生などなど,本当にいろんなことを考えさせられました。
国鉄日航道路公団等,旧国営企業の歴史は,まさに戦後日本の歴史の縮図ともいうべきもので,それは過去の問題ではなくて(もちろん,日航の問題などはまさに現在の問題だ),現在に連なる非常に多きな問題ですね。


でも,やはりこの映画のテーマは,人間の人生とか,働くとはいかなることかということを問うものだと思います。


今後,オイラもいかに生き,働いていくべきか。


自らに問われる問題です。

無駄な動きの効用

最近は,論文執筆の苦痛から逃避しようと本屋をうろうろしたり,雑誌をパラパラめくってみたりと,無駄な動きが多ござんす。。。


ただ,そのような無駄な動きも,時には思いもよらぬ副産物をもたらすことがあるのですな。


そのひとつが,最近見つけた書籍大来洋一『戦後日本経済論−成長経済から成熟経済への転換』(東洋経済新報社)に出会ったことである。


この書籍では,かなり高度な経済理論や実証分析的手法を用いて,戦後日本経済の成長過程及び終了過程を辿っている(そういう意味でついていけないところ多数)が,そこで述べられている重要なことのひとつは,いかに,戦後行われた旧通産省の産業政策なるものが無意味であったかということである。
未だに,産業政策を信奉する人々が経産省には多いが(そして,未だに自分たちが民間企業をリードしようとする),そういう人々は,この著作を読めばいかに自分たちが思い違いをしているかを思い知ることになるだろう。


産業政策とは,市場で決定される価格等の諸要因について,直接市場に介入し,それら諸要因を人為的に決定,制御しようとする政策のことだ(そういう意味では社会主義的手法と類似する)。
それは,行政指導的手法を多用するから,恣意的な行政を蔓延させる。
ここが,産業政策の怖いところで,明確な基準(ルール)に基づく法の運用ではなくて,アドホックな対応に終始する訳ですな。
それでたまたま成果が出ると自分たちの手柄にするもんだから,たちが悪い。


そういう,戦後日本経済の幻想を喝破してくれるこの書籍に大きな感銘を受けました。

要点をつかむ

以前から感じていることだが,オイラは,論文等の要点をつかむのがことさら苦手だ。というか鈍い。
何度読んでも,事の核心に辿りついたという実感が持てない。
掴んだと思ったら,そこから漏れている部分があったり,まったくズレていたり。
そんな繰り返し。


ただ,時間ももうそんなにないので,とにかく書く。
そうしているうちに,最近思ったこと。
それは,この「とにかく書く」ということが大事だということだ。
論文を読んだら,とにかくその要点と思うところを書いてみる。
書いていると,いかに自分が読み込めていないかがわかり,理解していない部分が明瞭になる。


読んで書き,書いて読む。
凡人には,そうするしか手はないみたい。。。
だけど,不思議。
なんかそういう風に繰り返してしていると,ヒュっと違ったステージに上がることがある。
それまでは見えなかった景色が鮮やかに現れてくる,そんな感じ。


頭の良い人たちが三段抜かしくらいで行くところを,1段登ってはまた降りて,時間がどんどん過ぎていくけど,しょうがない。


あとは時間との勝負だけど,まぁ,誰に期待されている訳でもないから,気楽にやりましょう。
そういう気分でいきたいね。


今日から9月です。
学生生活も残すところ半年余りとなってきました。


残り半年,今後の人生にとって意義あるものにしなければなりません。


終わり。

どうかしてるゼ!

しかし,あの鳩山という人と小沢という人はいったい何を考えているんでしょうかね。
自分たちが責任を取る形で,総理・総裁と幹事長を辞任してから3か月しか経っていないのに,なんで返り咲きの話が出る訳?
仮に小沢さんが総裁選に勝って総理になったら,また3か月で総理が変わるの?
オイオイ,もう勘弁してくれよ。
機能不全もいいところだよ,まったく。
海外からも,もうまったく相手にされないよ(というか,もう相手にされてないけど…)。


日本という国のどうしようもなさを如実に示す出来事ですね。


我々国民にも責任はありますが。
こんな政治家しか輩出できない責任が。

あがり症

自分と同じタイプの人というのは,見ているだけでなんとなく分かるものですよね。
その人の仕草とか立ち居振る舞いとか,汗のかき方なんかでも分かります。
だから,テレビを観ていると,この人はなんかオイラと似てるなーと思う人がいますね。


この前,V6の国分太一がゲストで出ていたんだけど(最近,すごい出てますよね。イノッチとともに),そこで,彼が極度のあがり症だということを言っていました。
それを聞いてい,すごく納得したところがあるんだよね。


彼は,司会をやらせてもうまいし,話を合わせるのもうまいし,そういう意味で,周りからは非常に器用に何でもできる人だと思われがちだけど,それは,あがり症と表裏の関係にあるんですよね。
あがり症ということは,非常に周りの目を気にしているということで,だから,周りのことが気になるし,その場の空気を読むのにもたける
だけど,そういうのってすごく疲れるんだよね。


オイラも,彼に比べればまったく次元が違うけど,そういう感じ,すごくあります。
周りからは,すごくしゃべりやすくて落ち着くと言われるけど,実は,人と話すとすごくパワーを使うから,疲れる。
もちろん,気心の知れた人たちと話しているのはとても楽しいから,その疲れはイヤではないけど,別にどうでもいい人たちとの話はトコトン疲れる(みんな同じだとは思うけど)。


だから,基本,ひとりでいる方が気分が楽。
まぁ,自分勝手でもあるのですが。


こういうところも変えていかなきゃいけないのかなー?
どうなんだろう…。

なんかズレてる

いつからだろう,日経新聞を読むようになったのは。
経済の動きを知るにはやっぱり一番だと思うし,特に真ん中の頁辺にある『経済教室』はいいですね。
ある程度のボリュームがあって,ちゃんとした専門家(主に大学教授)が書いているから,その精度は高いし,勉強になる。


ただねー,うんざりするような主張が目に付くのも多いんですよねー。
特に最近うんざりするのは,とにかく法人税率を下げろって議論ね(あぁそれと,円高を阻止しろという議論もかなり怪しいね。)。
これでもか,これでもかっていうくらい出てきますね。


オイラも,経済はインセンティブで動いているっていうことは少しは理解しているつもりだし,税制というものが企業行動に与える影響が大きいってことも理解しますよ。
だから,今よりも法人税率を上げろっていう議論には,若干疑問なしとしないところもあります,最近は。
だけど,日経がしきりに主張するように法人税率を多少下げたところで,今の日本経済や日本企業にどれほどの影響(プラスの)があるかは,かなり懐疑的ですね。
日本の企業が海外に進出するのは中国をはじめ新興国市場の台頭がめざましく,人件費,輸送費,関税,技術水準,国民性等々,非常に多くの要素が関係している訳で,もっと根本的には,世界経済の大きな構造変化に規定されているのであって,所詮日本市場なんていうのはたかが知れてるんですよ。
だから,その流れを多少の弥縫策で変えようと思っても変えられるものじゃないし(まぁ,日経は法人税率の引下げは弥縫策ではないと言うんでしょうが。),むしろ自然な流れに逆らうことになるんじゃないのかな。
大きな流れというのは,企業のインセンティブがそちらの方向に向いているということであって(しかもかなり強力に),それは今の世界経済の流れからいって自然なことなんだろう思うんだよね。


だから,法人税をいじくったところで日本経済にとってプラスに働くかどうかは非常に微妙で,ただ単に,企業の手元資金を若干増やす効果しかないのじゃないでしょうか(まぁ,日経の主張としては企業の利益を増やして投資環境を整備しろということなんだろうけどね。でも,そもそも投資というのは企業のインセンティブが第一であって,今,日本企業が国内投資を控えるのは,国内需要の減退と先行き不透明感があるからでしょうが。)。
この点で,普通の感覚を持っている人なら,そう考えるよなという記事が,昨日,当の日経新聞に載ってました。

オムロンの社長がインタビューに応える中でこんなことを言ってました。
「法人減税だけで日本企業が強くなれるでしょうか。仮に実効税率が40%から25%に下がったとして,利益が100億円の企業が,新たに手元に残った15億円を設備投資に回すとは限りません」
「税率だけど他国と比較しても無意味です。国際競争力は法人税率だけではなく,人件費をはじめ多くの要素が絡んで決まります。法人税率のような一部だけを取り上げるのは議論のやり方として公正でしょうか」


こういう当たり前の感覚を,日経新聞にも持ってもらいたいもんですね。
別に,日経の主張なんてどうだっていいけど,こういうのに影響される人もいますからね。


最近気になっていたので,書いてみました。
終り。

朝ドラ

今やっているNHKの朝ドラ,「ゲゲゲの女房」は残すところあと1か月ほどになってきた。
この「ゲゲゲの女房」がとても好評らしい(オイラにしてみたら,何を今さらっていう感じだけどね。)。
オイラも放送当初からほぼ毎日見てるが,確かにその理由は分かる。
水木しげるの仕事・マンガにかける情熱,それを支える妻の武良布枝の朗らかで,しかし芯のある人間性
最近の朝ドラにありがちな終盤になるにつれ,どこか薄っぺらになっていく話とはまったく逆に回を重ねるごとに面白さがましていき,久しぶりに良い朝ドラだなと思える作品です(最近の朝ドラも最初のうちは結構いいんだけど,なんだろう,回を重ねるごとに軸がドンドンぼやけていく感じがあったんだよなー。ほとんど途中で見なくなるパターンが多かった。)。


大人になってから,マンガはあまり読まないし,これからもたぶんあんまり読むことはないだろうと思うけど,水木しげるの仕事にかける情熱には,学ばされるところ大ですね。
そして,それを演じている向井理の演技も良いですね。
彼の真面目さや演技にかける情熱は,たぶん,どこか水木しげるに通じるところがあるんだろうね。
正直,男でも惚れるような,そんな生きざまがありますね。


しかし,今回のこのドラマを見てもつくづく感じることだけど,本当にすばらしい仕事をする人って,本質的には打算で仕事はしないんだろうな。
仕事をすることがすなわち生きること。生きているということが,仕事をすることなんだろうね。
一般人の仕事にはちょっと当てはまらない部分もあるとは思うけど,仕事の本質的なところは一緒のような気がする。
そういう風になりたいな,ホント。
職人みたいな人に。


そういうのに憧れます。